「裁量があります」の罠

── 任されているつもりが、ただ“放置”されているだけかもしれない


目次

「裁量あるって聞いたのに、なんか違う」って思ってない?

  • 入社時に「裁量があります」と言われた
  • 若手でも挑戦できる環境、って聞いていた
  • でも、実際は放置されているだけな気がする

「なんでもやっていいよ」は、自由?責任?それとも丸投げ?
「失敗しても大丈夫」と言われたのに、何もフォローがない
「育てる気あるのかな?」と感じる日々

そんな“違和感”を感じているあなたへ。
この記事では、「裁量=自由=成長」という構図をいったん疑ってみるところから、
本当の意味での“成長できる環境”を見極めるヒントを探っていきます。


なぜ「裁量=良いこと」と思い込んでしまうのか?

特にベンチャーやスタートアップでは、
「裁量があります」という言葉がポジティブワードとして使われがちです。

◆ 若手=裁量がある=成長できる、という刷り込み

  • 大手にはできないスピード感
  • 社長直下、事業責任、マーケ戦略を任せられる
  • 自分の力を試せる!

──こうしたイメージに惹かれて入社する人も多いはず。

でも、実態としては

“裁量”の名のもとに、“放置”されているだけ

そんな環境があるのも事実です。


「裁量」と「放置」の違いとは?

これを見極めるには、“裁量の裏側”にある構造を見抜く必要があります。


◆ 良い裁量=「任せる+伴走する」

  • 目標が明確に共有されている
  • 試行錯誤にフィードバックがある
  • ミスしても一緒にリカバリーする文化がある

→ これは「育てるための裁量」です。


◆ 悪い裁量=「丸投げ+責任は自己完結」

  • 何をしていいかわからない
  • 相談しても「自分で考えて」しか返ってこない
  • ミスが起きたとき、個人のせいにされる

→ これは「育成の責任放棄=放置」です。


「任せてくれる」のと「放り出される」のは、まったく違います。


苦しいと感じたときにできる3つのアクション

「放置かも…」と感じたとき、以下のステップで現状を整理してみてください。


◆ ① ゴールと責任範囲を明確にする

  • 自分は何をゴールとすべきか
  • どこまでが自分の裁量で、どこからは相談すべきか

→ 上司と一度“共通認識”を作るだけでも、ストレスはかなり減ります。


◆ ② 相談したい時に「聞いていい雰囲気」があるか観察する

  • 忙しそうでも、声をかけたら対応してくれるか
  • 「まず自分で考えてから来てね」は、本当に考えてきたことを聞いてくれるか

“相談しにくい空気”が続くなら、長期的にはしんどくなっていきます。


◆ ③ 「学び」のトレースができているか確認する

  • 昨日の自分と今日の自分で、何が変わった?
  • それを、誰かと共有できる?言語化できる?

→ 「裁量がある」のに学びが積み上がっていないなら、それは環境の問題かもしれません。


よくある反論:「いや、裁量こそ若手の特権でしょ?」

たしかに、“任せてもらえる”という経験は、若手にとって大きなチャンスです。
でも、それは「任せられる準備」が整っている前提でこそ活きます。

  • 任せ方が雑だったり
  • 相談する文化がなかったり
  • そもそも教育体制が崩壊していたり

そういう状態での「裁量」は、育成ではなく放棄です。

育成責任を果たす覚悟があって、はじめて“裁量”は機能します。


まとめ:「裁量」は、万能な成長装置じゃない

「若いうちは裁量がある方がいい」
──そんな空気の中で、自分を責め続けてないですか?

  • 自分で考えろと言われたのに、成果が出ない
  • チャンスだと思っていたけど、孤独で苦しい
  • 本当に“裁量”なのか、分からなくなってきた

そんなときは、自分を責める前に、環境の構造を疑ってみてください。

「裁量がある」って言葉に、だまされなくていい。
あなたは、放置されるために働いてるんじゃない。
成長するために、働いているんです。

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